「歯を全く削らない」と聞くと、体への負担が小さく、理想的な審美治療に思えるかもしれません。しかし一般的にほとんどのラミネートベニアは、その大小はあるものの「歯を削る」ことを前提にしています。

このことからもわかる通り、ラミネートベニアの治療を成立させるためには、基本的には歯を削った方が有利です。

当院のセラフィルムゼロは、「歯を全く削らずに歯の表面に薄いベニアの層を貼り付ける治療」である以上、一般的なラミネートベニアと比べて成立するのが難しくなる条件が存在し、審美性や機能性の担保が難しいケースがあります。

審美性・機能性を担保できるケースと難しいケース

「全く削らないで審美性や機能性を担保できる」ケースは確かにあります。
ただしそれは、どのような歯でも一律に成立する、という意味ではありません。

ラミネートベニアによる治療のゴールは本来、「歯を削らないこと」そのものではなく「今より美しく、自然な見た目になること」です。歯を全く削らない設計は、条件が合えば「歯を削らず審美性を整えられた」というメリットが大きくなりますが、条件が合わないと「歯の厚み」や「歯と歯ぐきの境目」などの審美的・機能的問題が表面化しやすくなります。

審美性・機能性を担保できる条件

セラフィルムゼロの歯を全く削らない設計でも、審美性が成立しやすいのは「ベニアを貼ることで歯の外形が変わっても、不自然に見えにくい条件」が揃っている場合です。代表的には次のようなものがあります。

  • 歯が小さめで、厚みを足してもボリュームが過剰になりにくい
  • 輪郭が比較的なだらかで、境目のラインが強調されにくい
  • もともとの歯の色や質感が大きく崩れていない
  • 厚みを足しても歯と歯ぐきの間に大きな段差ができにくい

このような条件では、歯を全く削らないことのメリット(歯への負担の小ささ)を活かしながら、自然な見え方と長期的な安定を実現しやすくなります

審美性・機能性を担保しにくい条件

一方で「歯を全く削らない」治療が成立し難くなるのは、「ベニア貼ることで外形の変化が目立ちやすい条件」が重なるような場合です。

  • もともと前歯が前方に位置している、前歯が前傾している
  • わずかな厚みでも前歯の突出感につながりやすい
  • 歯ぐき付近の形態により、歯と歯ぐきの境目がラインとして見えやすい
  • 歯軋り、食いしばりが強い
  • 歯の形態が悪く接着に不利である
  • 歯に重度の変色がある

このような条件では、「歯が一回り大きく見える」「歯が前に出て見える」「のっぺりした印象になる」といった審美面での違和感や、歯と歯ぐきの間の段差の清掃性が悪くなる、脱離や破折が生じるなどの問題につながります。

削らないと審美性が維持しにくい理由

歯に厚みがでる(ボテッとする/前に出て見える)

当院では0.1mmの極薄のベニアを使用しております。0.1mmと聞くと、「ほとんど厚みがない」と感じるかもしれません。ですがたった0.1mmの厚みであっても、前歯の輪郭がわずかに崩れると、途端に人工物っぽさが出やすくなります。

前歯は光の当たり方と輪郭で印象が決まりやすいため、ベニアの厚みが「歯ぐき側」に寄ったり、「先端のエッジ」が丸くなったりすると、ボテッと見える、前に出て見える、といった違和感につながります。

削らない設計では、ベニアが薄いことは前提として、「どこに厚みを配分するか」という設計が肝になります。

歯と歯ぐきの境目(段差・ラインが見える)

ラミネートベニアの審美性を一気に損ねやすいのが「歯と歯ぐきの境目」です。境目が線として見えると、見た目に違和感が生じやすくなります。遠目ではきれいに見えていても、会話するような距離で見たときに「貼ってある感じ」が出る原因は、境目の段差とラインであることが少なくありません。

歯を削らないほど、歯の表面を大きく整えられないため「境目をどう消すか」は設計と仕上げの精度に依存します。境目がなだらかに移行しているか、ラインが強調されていないか。ここが見た目の自然さを左右します。

色と透明感(単色っぽい/のっぺりする)

ラミネートベニアは単に「白い」だけでは、むしろ不自然に見えることがあります。天然歯は、中心と先端、表層と内部で光の通り方が違い、透明感とグラデーションが自然な見た目を作っています。

歯を削らないと、素材が光をどう反射してどう透けるかが、そのまま見え方に反映されやすくなります。そのため、色と透明感、グラデーション、艶をどれだけ審美的に設計できるか、周囲の歯との色の馴染み方の設計まで含めて行うことができるか、といった医院のデザイン力が非常に重要になります。

質感(艶や微妙なテクスチャの表現)

歯の質感は「艶」と「微細なテクスチャ」で決まります。艶が均一すぎるとプラスチックのように見え、艶が弱すぎると粉っぽく見えることがあります。天然歯は、表面にわずかな凹凸があり、光のハイライトが自然に散ります。この光の散り方が、天然歯が「本物の歯」に見える所以です。

歯を削らない場合はベニアの厚みを極限まで薄くせざるを得ないので、表面のわずかな凹凸を作るのも非常に難しくなります

清掃性(汚れが溜まる形態は審美性にも悪影響)

歯を削らないラミネートベニアで歯と歯ぐきの間に段差ができると、審美性を損なうだけでなく、清掃性にも悪影響を及ぼします。

境目に段差が残る、歯ぐき近くに厚みが集中する。このような形は、清掃が難しくなりやすい傾向があります。段差があるとそこに汚れが停滞しやすく、結果として見た目と歯ぐきの状態を悪化させる要因になり得ます。

残った汚れが原因で歯ぐきが腫れてしまうと、歯と歯ぐきの境目の段差が見た目に強調され、より審美性が低下するという悪循環になってしまいます。

セラフィルムゼロが「歯を削らない」のに
審美性を担保できる3つの理由

削らないラミネートベニアは「厚み」「境目」「色」「質感」「清掃性」などが弱点になる治療です。

当院のセラフィルムゼロも「歯を全く削らない治療」ですが、弱点になるポイントを治療設計とベニアの製作の精度を高めることで解決し、自然に見える仕上がりを担保できる治療体制を整えています。

①0.1mm極薄設計×部分的な厚みのデザイン

歯を全く削らない場合に重要なのが、ベニアの薄さです。当院のセラフィルムゼロは0.1mmの極薄設計で、歯の上にそのまま貼り付けてもほとんど厚さを感じさせません。

そしてもう一点重要なのが、「部分ごとの薄さと厚さの設計」です。0.1mmの極薄設計といっても、全体が均一な厚さな訳ではありません。より薄くする箇所、あえて厚くする箇所を設計し、より自然な見た目になるようにデザインします。

厚みが気になりやすい部分を設計で抑える

ラミネートベニアの厚みによる違和感は、特定の場所に厚みがある場合に特に目立ちます。
当院では以下のようなポイントで厚みが目立たないように、意識的にベニアのデザインをコントロールしています。

  • 外形:歯の輪郭が一回り大きく見えないように、面のつながりを滑らかに整える
  • エッジ:先端の輪郭が丸くなりすぎないように、光の当たり方まで見て締まりを作る
  • 境目:歯ぐき付近で段差が出ないように、境目が線として見えない形にデザインする

ただしここまで精密にデザインしても、元々の歯の形態などによっては、全く削らない設計では審美的な治療が難しいこともあります。その場合には、僅かに歯を研磨することを了承いただければ、より審美的で患者様に納得いただける仕上がりに近づきます。

②筆積み技法による色・透明感・質感の表現

一般的なラミネートベニアでは「既製のセラミックブロックを削り出す」方法が主に用いられます。この方法は、材料の品質が安定しやすく、形の再現性も高いという利点がありますが、一つの塊から形を作るため、色と透明感の「奥行き」をうまく表現できません。そのため、ブロック削り出しのセラミックは、単色っぽい白さ、のっぺりした印象につながりやすいです。

ですが、歯を削らないラミネートベニアは、なるべく薄く作る必要があるため、「セラミックの内部で濃淡を作る」「先端の透け感を自然に作る」「表面の微細な質感で光のハイライトを散らす」といった要素が仕上がりに直結します。

そのため当院では、筆積み技法でセラミックを作成しています。熟練の技工士がセラミックを一層ずつ積み上げて、一層づつ「色」「透明感」「質感」を変えながら層を表現していきます。うまく層が作れると、中心から先端へのグラデーション、光が当たったときの透け感、艶のハイライトの出方まで、天然歯と見分けのつかない仕上がりを実現できます。

③適応の判断と試適・調整で仕上がり精度を高める

歯を削らない治療は魅力的ですが、これは誰でも適応できる治療ではありません。当院が「歯を削らない」のに審美性を担保できる理由の3つ目は、適応の判断が優れているからです。

「歯を削らずに治療をするとどうしても審美的になりにくい」というケースについて、事前の診査診断で確認し、どうしても難しいケースではご納得の上で最適な別の選択肢をご提示しています。

③本当の意味で「患者様に寄り添う」適応の判断

歯を削らない治療は魅力的ですが、これは誰でも適応できる治療ではありません。当院が「歯を削らない」のに審美性を担保できる理由の3つ目は、適応の判断が優れているからです。

「歯を削らずに治療をするとどうしても審美的になりにくい」というケースについて、事前の診査診断で確認し、どうしても難しいケースではご納得の上で最適な別の選択肢をご提示しています。

患者様の後悔を防ぐ適応判断について

適応判断では、主に次のような観点を確認し、仕上がりを予測することで、患者様が満足できない仕上がりになることを防いでいます。

  1. 歯の形態とスペース:
    ベニアの厚みを足したときに輪郭が崩れやすくないか、歯と歯ぐきの境目が目立たないかなどを確認します。
  2. 噛み合わせ:
    歯を削らないケースでは接着がよりシビアになり、前歯にかかる力ので長期的な安定性を損なわないか確認します。
  3. 清掃性:
    長期的に美しさを保つため、歯と歯ぐきの間の段差など、清掃性を損なう条件がないかを確認します。

他にもさまざまな観点で専門的な判断を行った結果として、「歯を削らないより、僅かに整えたほうが患者様にとってメリットが大きい」と判断するケースはあります。

そういったケースで、無理に歯を削らない治療を行うのではなく、たとえ患者様の当初のご希望には添えないとしても「患者様が治療後に後悔しないためのご提案」を優先しています。

ごく僅かに歯を削る<セラフィルム>について

当院の歯を削らないラミネートベニアであるセラフィルムには、考え方の異なる2つの選択肢があります。

1つはこのページでご紹介したセラフィルムゼロ。歯を全く削らない方法です。もう1つは、ごく僅か(0.2mm程度)に歯の形態修正(研磨)を行い、より自然な仕上がりを実現するセラフィルムという方法です。

全く歯を削らない治療は、その性質上どうしても適応が限られることがあり、より高い審美性や自然な見た目を求めるのであれば、僅かに歯を削る方法であるセラフィルムがおすすめです。

Before

Before

処置前(未調整)

After

Before

削ったのが分からないほどの
わずかな調整のみ

ご覧の通り、セラフィルムでの歯の研磨量は非常に少なく、麻酔をしなくても問題ないほどです。歯の状態によっては、ほとんど研磨も不要で、限りなく0に近い切削量で治療を進められることもあります。

セラフィルム・セラフィルムゼロ、2つの選択肢から患者様に最適なものを選べるのが当院の強みです。ご自身の適応が知りたい、もっと綺麗な歯で自信を持って笑いたいという方は、ぜひお気軽に無料のカウンセリングにお越しください。

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